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世代を繋ぐ畳リビングのある家

2025年度 性能向上リノベデザインアワード 優秀賞受賞
After
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Before
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Process
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  • 構造木造在来平屋建て
  • エリア中部
  • 既存築年 1983年
  • 改修竣工年月2025年6月
  • 敷地面積 304.07㎡
  • 延床面積 85.58㎡
  • 金額 3,000万円~3,500万円

断熱

等級
6
省エネ地域区分
6地域
UA値
改修前 3.04w/㎡・K
改修後 0.37w/㎡・K
(改修前の8.21倍に向上)
エネルギー消費性能(太陽光発電なしの削減率)
BEI= 0.42 (削減率 58% )
ZEH水準

耐震

上部構造評点
改修前 0.20
改修後 1.90

30代のご夫婦が新居を考える中で、実家の離れを住み継ぐ選択肢が浮かびました。祖父が建て、父が手を掛けて守ってきた建物であり、家族で外壁を塗り替えた思い出も残っています。「壊す」のではなく、「受け継ぎながら暮らしを更新する」。敷地には手入れを続けてきた中庭があり、その他にも再利用できる自然石や樹木もありました。建物だけでなく敷地にあるものを活かす事。そのご家族の想いが、このプロジェクトの原点です。
断熱改修では、無断熱で底冷えしていた住環境を抜本改善。高性能グラスウールと樹脂窓の採用を行い、断熱等級6(Ua値0.37)を実現しました。外部通気層と室内防湿層を適切に確保。工事中の気密測定(実測C値0.1)も実施し、確かな性能を確認しました。
耐震改修では、まず微動探査測定により地盤特性を実測し、揺れに対する耐性を把握しました。そのデータをもとに、建物で無理のない範囲の可能な限りの補強計画を実施。構造評点は0.2から1.9へ大幅向上させました。偏心率0.05と偏りの少ないバランスにし、ホールダウン引抜が発生しないよう配慮。改修後にも微動探査測定を行い(改修前:建物固有周期 平均0.54秒)→(改修後:建物固有周期 平均0.08秒)耐震性能の向上を確認。また認定長期優良化住宅にも適合し、未来へ安心して住み継げる信頼性を獲得しました。
暮らしの象徴となるのは、施主の願いから生まれた畳リビングがあるLDK。大きな面積でなくとも、ごろりと寝転がれる心地よさが家族の団らんを育み、親世帯との程良い距離感を繋ぐ中庭へ視線が抜ける開口が、季節を生活に取り込みます。親世代が大切にされてきた、自然石や樹木は、意匠に情緒を加える新たな形で石積みやアプローチ部分に再利用しました。
『性能が暮らしを支え、歴史が時間を育む』。
その両立こそが、これからの住まいのスタンダードと考えます。

After リノベーション後

デッキスペースの前には敷地に余っていた石を使った石積みを設けました。お庭の前にちょっとした空間を生み、家族の遊び場スペースになります。
北側に設けたアプローチ。敷地に余っていた大きな石で高低差を処理し、樹木を加えて楽し気な空間としました。入母屋だった屋根は、雨仕舞の観点からシンプルな切妻へと改修しました。
以前洋室だった場所。改修後はダイニングとなり、中庭の植栽が一望できます。夏季の東入り日射は、低く抑えた軒に簾を取り付けて対策ができるように準備をしてあります。
二つの畳の間。テレビボードの引戸部分は解体時にとっておいた欄間障子をリメイク。障子紙部分を剥がして、お施主様の好きなラタンを貼って新しく生まれ変わりました。
窓を開けるとリビングとダイニング、デッキと中庭が連続するように広がりを感じられます。

Before リノベーション前

東側から中庭を挟んで見た所。外壁の板貼りは年季が入っている。屋外へ柱がむき出しな為、一部漏水も見られた。右側に見えるのは母屋。
北側道路から見た所。道路からは少し上がった土手になっており、既存樹木が植わっているが、南側の出入りからは遠い存在になっていた。
縁側から南の方角。真壁の和風のつくり。大きな開口部から明かりは入るが部屋が隔たれており、閉鎖的だった。
洋室を北から見た所。東側の中庭の樹木が見え、位置関係は検討が必要だが、東側への眺望が良さそうな事が分かる。
お施主様のお父様が敷地内で何かに使えるかもと保管されていた、石。是非何かに使って欲しいとの要望があった。
広大な敷地には、豊富な緑と大きな石が多数あった。現状ではどこにも行き場が無く、今回の工事で使えないか検討をした。

Process リノベーション施工中

屋根垂木に損傷が見られた為、全て交換を行った。垂木はタルキックで固定し、雲筋の取付、レンコン羽子板、鋼製火打ちで小屋組を補強した。
部分的に新設布基礎補強を行った後、防蟻・防湿対策を兼ねてアリダンシート工法を採用。防湿土間を施工し、床束は鋼製束に変更し、床組は全てやり替えとした。
外周部は面材耐力壁、内部は筋交いにて補強を行った。新設梁と既存梁との接続には後施工金物を用い、仕口の負担を軽減、小屋束固定は全てリブコーナーで補強した。
天井は吹込みグラスウール300mm、壁は120mmのグラスウール充填を行い、防湿フィルムは施工性と気密性を考え別貼りとした。貫通部などは円形状の気密部材を用い施工性に配慮した。
床面はスタイロエースⅡ90mmを充填とし、土台との連結部は気密テープで処理。UB部は一部基礎断熱とし、既製品が対応できない為、UB下点検口を断熱材で現場造作し、点検時は脱着ができるように工夫した。
施工中間時に現場気密測定を実施した。測定値はC値0.1となり、計測中は風速計を用い不完全な部分が無いかを点検した。

Point 技術的なポイント

・断熱性能
床断熱:スタイロエースⅡ 90㎜
(UB・玄関:基礎断熱スタイロエースⅡ 50㎜)
壁:高性能グラスウール16K 120㎜
天井:天井吹込みグラスウール10K 300mm
窓:APW330(YKK AP)
玄関ドア:ガデリウス スウェーデンドア(無採光)
・耐震性能
基礎:一部新設布基礎・増築部(布基礎)
柱・土台:蟻害部分の交換・ホゾ無し部分パイプコーナー
壁:耐力面材(ダイライトMS9)・木製筋交い・コボット筋交い・柱頭柱脚金物設置・梁補強
制振ダンパー ㈱プロジット ウィンダンパー
屋根:土葺瓦からガルバリウム鋼板に葺き替え
垂木:全て交換のうえ、タルキック使用・小屋束固定リブコーナー
水平構面:鋼製火打ち追加・レンコン羽子板金物補強・屋根12㎜合板施工・雲筋補強
・防蟻対策
アリダン工法の実施のうえ、防湿土間施工・全面ホウ酸防蟻処理
・空調、換気について
第三種換気設備
エアコン設置LDK1台2.8kw+寝室1台2.2kw
夏期:三菱エアコンGE2.8kw 目標設定室温25℃湿度60% 算定用 負荷計算 合計負荷(顕熱・潜熱・換気・発熱・日射・外皮)3042W
冬期:三菱エアコンGE2.8kw 目標設定室温22℃湿度40% 算定用 負荷計算 合計負荷(顕熱・潜熱・換気・発熱・日射・外皮)-3142W
・その他
認定長期優良化住宅(増改築)
微動探査測定
気密測定

Plan 間取り

Before リノベーション前

After リノベーション後

Company 企業紹介

朝倉建築有限会社

朝倉建築有限会社

保有資格
  • 二級建築士
  • 既存住宅状況調査技術者

愛知・豊橋に根ざし、66年。 「愛着の湧く家づくり」をモットーに、 建築士・自社大工・職人が一つのチームとなって、 家族の想いに寄り添う住まいをつくっています。