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継受の家(けいじゅのいえ)

2025年度 性能向上リノベデザインアワード 選考委員賞受賞
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Process
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  • 構造木造在来2階建て
  • エリア関西
  • 既存築年 2005年
  • 改修竣工年月2025年6月
  • 敷地面積 312.30㎡
  • 延床面積 129.62㎡
  • 金額 5,500万円~6,000万円

断熱

等級
7
省エネ地域区分
6地域
UA値
改修前 1.31w/㎡・K
改修後 0.25w/㎡・K
(改修前の5.24倍に向上)
エネルギー消費性能(太陽光発電なしの削減率)
BEI= 0.68 (削減率 32% )
ZEH水準

耐震

上部構造評点
改修前 0.53
改修後 1.54

①プロジェクト経緯
築20年の実家を引き継ぎ、現代の暮らしに合わせるリノベーションプロジェクト。テーマは、素敵に歳を重ねるという意味の「AGING WELL」。経年美化を目指し、自然素材と大工の手仕事や左官等の技術を詰め込む。さらに構造・断熱気密・制振といった基本性能を向上。家を受け継ぐ価値を見直し、持続可能な住まいの姿を提示。
リノベ前は「無駄な窓の多さ・断熱不足による結露・カビ」「家事動線の悪さ」など不便な暮らしの根源が多くある状態。違う土地に新築も検討したが、父が建てた家を残したい、長年住み慣れた土地を離れたくないという気持ちや、LCAやCO2排出量の観点から優位性の高いリノベーションを選択。
②物件のポイント
・パッシブハウス認定を目指す超高性能化
・生活と温熱と耐震性を考えた大胆な間取り変更
・海外建築を参考に自然素材で作った独特な意匠
・家族が集う、プライバシー配慮した大型ウッドデッキ
③性能改善
既存は新耐震基準でしたが、付加断熱や太陽光で重さが増すため、構造計算を行い安全性を確認しながら柱梁の補強をし、耐震等級3と長期優良住宅認定を取得。吹抜けは間口の半分以下に抑え、間崩れしていた既存躯体を田の字型へ整えた。加えて繰り返し地震にも耐えるため制振装置evoltzを設置した。
断熱は、環境負荷を考えて既存の発泡ウレタンを残せるところは残し、壁に105㎜の木繊維断熱+140㎜の木繊維付加断熱、屋根には既存の発泡ウレタンに450㎜の木繊維断熱を追加。窓も間取り改変と温熱環境に合わせて変更し、APW430・木製サッシにて最適化。
④住み心地
住み始めて5カ月。外気温に左右されることなくいつの時間も快適な温湿度で暮らすことができ、「断熱」と「パッシブ設計」の効果を実感できている。家事動線が良くなり自然と家が片付くので、人を家に呼ぶことが楽しくなったと語っている。

After リノベーション後

16帖の決して大きくないLDKだが、吹き抜けや庭とのつながりをつくることで感覚的な広さを感じることができる。バーベキューなどの庭遊びが好きな家族もLDKと庭を一体的に使うことができ外で過ごすことが増えたという。
LDKを広く使う工夫として壁付けL字型のキッチンも有効である。本来キッチンが来る場所にダイニングを置くことができ、その分リビング空間が広がる。白いタイルとマホガニ合板がすっきりとかっこいい印象をつくっている。
夏は南面の窓全体が道路向かいの竹林の緑でおおわれる。吹き抜けに置いた観葉植物も太陽の光を求めて窓のほうへ葉を向け始めた。吹き抜けの隣は子どもたちが遊ぶフリースペースとなっている。
玄関内部をほかの部屋と同じように床断熱にしたため、道路からの高さが高くなり、コンクリート土間などで仕上げると外壁とコンクリートが当たってくる箇所が出てくるので木製で仕上げた。歩くと軽い音が鳴って楽しいアプローチになった。
リビングに隣接するウッドデッキは、中心に焚火ができるスペースを設けたり、軒下にキッチンを作ったりと、外遊び好きの家族にはうれしい遊び場となった。また、1段上がった畑スペースでは季節の野菜やハーブなどを育てられるようになっている。

Before リノベーション前

各面に窓があり明るさや風通しは申し分なかったが、熱的弱点になり暑さや結露に悩まされていた。 近年の暑さで窓開けをする機会も減っていた。
南面は玄関へのアプローチと駐車場として使っていた。南側をリビングと庭にする計画になったため駐車スペースの行き場に困まった。
北面の大きな掃き出し窓。かつては淀川花火や神戸まで見渡せる眺望があったが、裏手が分譲住宅地となり眺望はなくなってしまった。
数年前にクロスと床を増し貼りする表面的なリフォームを施したので新しく見えるが、腰板や建具は新築当時のもの。
リビングに隣接した和室は子どものおもちゃ置き場。雨の日には洗濯部屋になっていた。
洗濯動線の悪さからリビングから2階へ上がる階段には、いつも洗濯物が置かれていた。

Process リノベーション施工中

基礎解体前の写真。すべての壁の下に基礎が入っていたため無駄な箇所が多い。
基礎解体後の写真。将来の床下メンテナンスのことも考え、構造区画以外の基礎は全て撤去することにした。すっきりと動きやすくなった。
金物工法を用いて梁補強することで、極力既存の躯体を痛めることなく強度を増すことができる。
大引間に厚み90mmのネオマフォームを入れ、重ねて45mmのネオマフォームを追加し、総厚135mmの床断熱とした。
解体前の透湿防水紙の劣化がわかる写真。通気層の中にもかかわらず紫外線劣化が激しい。うろこ状にシートが透けていて意味をなしていない。
外部には吹込み木繊維断熱t=140を自社施工にて付加し、性能を高めた。粉塵で近隣に迷惑が掛からないように気をつかいながら施工した。

Point 技術的なポイント

【断熱補強】
床:ネオマフォーム t=90・45
壁:シュタイコゼル(木繊維断熱材) t=105・140
屋根断熱:既存ウレタン吹付断熱・シュタイコゼル(木繊維断熱材)t=450
窓:APW430(YKK AP)・スマートウィン(佐藤の窓)
ドア:スペリオル(コシヤマ)
【耐震補強】
・耐震等級3 長期優良住宅認定 取得
・構造計画を考え、安定した構造として無駄を削減
・精密診断で実荷重を想定して評点1.5以上になるよう補強計画
・構造計算により柱梁の検討を行い、添え梁添え柱で補強
・制振装置evoltzで繰り返す大地震による躯体へのダメージを抑制

Plan 間取り

Before リノベーション前

After リノベーション後

Company 企業紹介

株式会社野澤工務店